これから始める GAP

農林水産省

これから始める GAP

おしらせ

最近、農業の現場において耳にする「GAP(ギャップ)」
聞いたことはあるけれど、具体的にはどんなことをするのでしょうか?
そもそもGAPって何?「GAPをする」ってどういうこと?をイチから見てみましょう。

これからの農産物に求められるものとは

消費者が農産物に求めるものは何でしょうか?

農林水産省が平成29年度に実施した調査結果によると、野菜・果物を購入する際に特に重要と考えているのは「味・鮮度」「価格」の順となりました。では、安くて美味しい農産物を生産するだけでよいのでしょうか?

日本の農産物は、農業者の努力により、一定以上の品質が確保され、安定的な供給がされてきました。しかし、近年では、食のグローバル化が進み、消費者に届くまでのサプライチェーンがより複雑になっており、農産物の安全性を消費者へ伝える必要性が高まっています。また、気候変動や地球温暖化によって、農産物の品質が低下したり、相次ぐ大規模自然災害で農場が被害を受けるなど、農業が環境から受ける影響はますます大きくなっています。

こうした状況に対応していくには、農業生産における持続可能性を確保することが大切です。

持続可能性を追求する動きは、世界に広がっています。2015年、SDGs(持続可能な開発目標)が国連サミットで採択されたことを受け、民間企業や市民の参加が積極的に呼びかけられ、持続可能な社会の実現に向けた取組が世界各地で始まっています。

SDGsへの関心の高まりからもわかるように、これからの農作物に求められるものは、持続可能な取組によって生産された農作物です。そして、これを実現する方法の1つが、これから説明する「GAP」に取り組むことです。「GAP」に取り組むことで、農場経営の向上を図ることも可能になります。

では、「GAPに取り組む」とはどのようなことなのでしょうか?また取り組むことによってどんな効果が生まれるのでしょうか?

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GAPって?

GAPは、Good Agricultural Practicesの頭文字をとった言葉で、直訳すると「よい農業のやり方」という意味ですが、一般的には「農業生産工程管理」と呼ばれています。
工程管理というとちょっと難しそうですが、言い換えれば、「農産物を作る際に適正な手順を守り、モノの管理を行い、持続可能性を確保する取組」のことです。

GAPとは

GAPは、以下のような5分野の取組を行います。

  • 農産物の汚染や異物混入の防止といった食品安全の取組
  • 化学農薬・化学肥料の使用量低減などの環境保全の取組
  • 農作業の安全確保や健康状態への配慮などの労働安全の取組
  • 労働環境の整備や労働条件の遵守などの人権保護の取組
  • 責任者や役割分担の明確化や教育訓練の実施といった農場経営管理の取組

GAPは日常的な取組

農場が整理整頓されている現場なら必要なモノが探しやすく、安全に管理することができます。
作業手順がルール化されていれば、だれもが同じ手順でムダなく作業ができます。
もしもの事故が起きたときでも、事前に対応が準備されていればパニックにならず迅速に対処できます。
こんな日常的な取組がGAPの基本です。一つ一つは難しいことではありませんが、それを継続して実践することが大切なのです。

たとえば「5Sの実践」

5Sの実践

整理、整頓、清掃、清潔、習慣の5つの「S」。これを毎日行えば、それだけで作業の効率化やリスクの軽減が図れます。

たとえば「記録を残すことの重要性」

記録を残すことの重要性

作業工程のチェックリストを作成し、作業時に毎回チェックをすれば、作業ミスを減らせます。
言った・言わない、聞いていないなどの問題を防ぎ、作業ミスの本質的な解決が可能になります。
作業ミスが起こった場合も、記録を残しておけば、どの工程でだれが作業ミスをしたかをさかのぼって調べることができます。記録は事故を起こさないためにも、また、万が一、事故が起こった場合にも、大切な情報として活用できます。

GAPの実施と認証

GAPには、「GAPに取り組む」こととともに、そのGAPの取組を客観的に第三者に評価してもらう「GAP認証をとる」という仕組みがあります。

「GAPに取り組む」とは

農業者がGAPの取組を自ら実施することです。

「GAP認証をとる」とは

GAP認証は、第三者機関の審査によりGAPが正しく実施されていることが確認された証明のことです。GAP認証をとることで、これによりGAPを実施していることを客観的に証明することができますが、審査には費用がかかります。

まずは、GAPについて学び、GAPに取り組み始めてみましょう!

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